子供の頃からずっと気になってる童謡の歌詞があるんです。
気になって気になって夜も8時間くらいしか眠れません…。
食事も朝と昼と夜しか喉を通りません…。
のりたまだけで3杯しかご飯おかわり出来ません…。
そんな僕を苦しめてる童謡を母国語で紹介しますと
『クラリネットこわしちゃった』です。
このタイトルを聞くと「甘栗むいちゃいました」を思い出すこと山の如しなのですが、それはさておき本題の歌詞の方を見ると
♪とっても大事にしてたのに壊れて出ない音がある…どうしようどうしよう♪
このあと急にですよ
「オー、パッキャマラード パッキャマラード」って。
で、「パオパオパパパー」って。
まさかのサビで意味不明な言葉のオンパレード。
これはアレですかね、パニックに陥っちゃった感じですかね。
音が出なくなったショックから、2つの意味で動揺(童謡)しちゃってる感じですかね。
それもさることながら、一番気になるのは「ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない」ところです。
壊れて出ない音があるってより、全部出て無いわけです。
何の音も出ないクラリネット、それはもうただの棒です。
突起物が多めのただの棒です。
しかも持ち主の証言によると「とっても大事にしてたのに…」とあります。
大事にしていて何故そんな完膚無きまでに壊れるのでしょうか。
もしかしたら、この子の 「大事にしてる」という感覚が一般的なそれとズレているのかもしれません…
ー ここは都内でも屈指の夜景を望むとある高級レストラン ー
見るからにステータスの高そうな身なりをした男が、お連れの女性となにやら揉めている。
「オレと別れたいって、一体どういうことだ?!」
どうやらお連れの女性からお別れを告げられたご様子。
「オレには地位も金もある、見た目だってそれほど悪い方じゃない、むしろ良い方だ。
まぁ確かに仕事にのめり込んでキミとの時間を取れないけど…
だけど、その埋め合わせに、逢える日はいつもブランドバッグやアクセサリーをプレゼントしてあげてるし、キミが寂しくないように血統書付きのペットだって買ってあげた!トップブリーダーが育てた血統書付きなんだぞ!
今日だって、忙しい時間を割いて予約の取りずらいレストランに連れてきてあげたじゃないか!
…こんなに大事にしてるのに何故…」
みたいな感じで。
そもそも価値基準や感じ方は人それぞれだし、状況によっても変わってくる。
本人としては「大事にしている」表れで良かれと思ってしていることでも、相手が望んでなかったらただの自己満足やありがた迷惑になりかねない。
自分はこうしてあげたいという気持ちよりも、相手が望んでいること、喜ぶことは何か、つまりは相手を理解しようとする気持ちから円滑なコミュニケーションというものは生まれるのではないでしょうか。
ちなみに、僕が敬愛するニーチェの名言にこんな言葉があります。
その言葉は、たしか…
えっと…
ま、ちょっと忘れちゃいましたけど。
【追記 】
色々調べてみると、このクラリネットはどうやら最初から壊れてなどなく、音の出し方を知らない子供が「壊してしまった」と思い込み、パパが少しずつ頑張って音出せるようになろう!と励ましてる歌という説もあります。
Ⓒイラストレーター トツカケイスケ